NotebookLMにGASのコードを放り込んで「説明書」を作ってみたよ
Google Apps Script(GAS)使ってますか。最近はAIに頼めばコード自体はすぐ書けるので、以前より活用の幅が広がったという人も多いのではないでしょうか。
ただ、実際に運用を始めると、次のような地味に困る問題が出てきませんか?
- 「とりあえず動く」けど、中身をちゃんと把握できていない不安。
- 他の人にツールを渡すとき、毎回同じ説明をするのが面倒。
- 数ヶ月ぶりにコードを触ると、自分の書いたコードなのに「これ何だっけ?」となる。
かといって、わざわざWordやドキュメントでマニュアルを自作するのは大変。そんな悩みを解決するために、「NotebookLM」にGASのコードを読み込ませておけば「いつでも質問できる説明書」にできるのではと思って試してみた次第です。
1. GASでよくある「地味に困る」シチュエーション
GASを使ってツールを作ると、時間が経つにつれていくつか課題が出てきます。
内容を正確に理解しきれていない
AIにコードを書いてもらった場合、動作は完璧でも「なぜこの行が必要なのか」を細かく理解しきれていないことがあります。そのまま運用を続けるのは、少し不安ですよね。
共有しても結局忘れられてしまう
自分以外の人がツールを使う際、使い勝手を口頭で説明しても、時間が経つと「どこを触るんだっけ?」と聞かれがちです。マニュアルがあればいいのですが、作る側も大変ですし、読む側も文字だらけだとハードルが高くなります。
メンテナンスの腰が重くなる
久しぶりに修正が必要になったとき、コードの内容を思い出す作業から始めないといけないのは結構なストレスです。これが原因で、「とりあえず今のままでいいか」と改善を後回しにしてしまうことも。
こうした「マニュアル作成の面倒くささ」と「共有の難しさ」を、NotebookLMを使って楽に解消してみよう、というのが今回の試みです。
2. NotebookLMを「GAS専用の質問箱」にする
NotebookLMの最大の特徴は、自分がアップロードした資料(ソース)だけを根拠に回答してくれる「ソース重視」の設計です。ここにGASのスクリプトを読み込ませることで、自分専用の、そしてチーム専用のコンシェルジュが出来上がります。スクリプトの説明やマニュアルなども不要です。コードを読んでどのように動作するかや使い方を理解してくれます。
どんな質問にも即座に答えてくれる
ソースとしてコードを読み込ませておけば、チャット欄でこんな風に聞くだけで済みます。
- 「このツールを使う前に、どこを設定すればいい?」
- 「エラー通知はどこに飛ぶようになっている?」
- 「スプレッドシートのどの列のデータを読み取っているの?」
AIがソースコードを読み解いて、日本語でわかりやすく答えてくれます。コードを一行ずつ追わなくても、やりたいことベースで回答が返ってくるのが非常に楽です。
「マニュアルを読まなくていい」マニュアルになる
マニュアルをPDFで用意しても、結局みんな読まずに質問してきますよね。
NotebookLMを共有しておけば、使う人は「マニュアルを読む」代わりに「AIに質問する」だけで済みます。これだけで、制作者である自分への問い合わせは劇的に減ります。
コードの修正方法も確認できる
「ちょっと通知先のアドレスを変えたいんだけど」といった微修正の方法も、NotebookLMに聞けば「スクリプトエディタを開いて、〇〇の変数を△△のように書き換えてください」といった具体的な指示を仰げます。これなら、多少コードが書ける人になら安心してメンテナンスを任せられます。
3. 「コードの健康診断」として活用し、中身の不安を解消する
NotebookLMの面白いところは、内容の解説だけでなく「客観的なアドバイス」をもらえる点です。GASは「動けばOK」になりがちですが、NotebookLMに健康診断を依頼することで、より安定したスクリプトに育てることができます。
自分のコードの「弱点」を教えてもらう
例えば、こんなふうにNotebookLMに問いかけてみてください。
- 「このコードで、実行速度が遅くなりそうな箇所はある?」
- 「エラーが起きたときに、原因がわからなくなりそうな部分はどこ?」
- 「GASの実行時間制限(6分)に引っかかるリスクはある?」
すると、AIが「スプレッドシートへの書き込み回数が多すぎるので、配列を使って一括処理した方がいいですよ」といった、具体的な改善ポイントを指摘してくれます。自分では気づかなかった「潜在的なリスク」を事前に潰せるのは大きなメリットです。
メンテナンス性のチェック
また、「このコードを1ヶ月後の自分が読んだとき、理解しにくい部分はどこ?」と聞くのも効果的です。
「この変数の役割が不明確です」「この条件分岐が複雑すぎます」といった指摘をもらうことで、コードにコメントを足したり、変数名をもっとわかりやすいものに変えたりするきっかけになります。
改善の「腰」が軽くなる
「いつか直さなきゃ」と思っていても、どこから手をつければいいか考えるのが面倒で放置してしまうことはよくあります。NotebookLMに具体的な修正案を出してもらうことで、「これくらいなら今すぐ直そうかな」と改善への心理的ハードルがぐっと下がります。
4. スライド機能で「全体像」をパッと共有する
文字だけのマニュアルを渡されても、なかなか全体像を掴むのは難しいものです。そんな時に便利なのが、NotebookLMのスライド生成機能です。
視覚的に「何をするツールか」が見える
ソースコードを元に、自動でツールの概要や構造をスライド形式にまとめてくれます。
「このスクリプトは、Aというデータを取得して、Bという処理をして、Cへまとめます」といったフローが視覚化されるので、自分自身の備忘録としても、他の人への解説資料としても非常に優秀です。
実際に生成されたスライド↓

日本語を徹底させるためのプロンプト
ただ、一つ注意点があります。NotebookLMは、設定を日本語にしていても、スライドの内容に英語を混ぜてきたり、突然英語で説明を始めたりすることがあります。スクリプトのみを渡す場合、英語の割合が多いのも影響してか特に英語に寄った資料になりがちな印象です。
これを防ぐためには、生成する際の指示(プロンプト)に一工夫加えるのがおすすめです。
- 「スライド内のタイトルや説明文はすべて、平易な日本語のみで出力してください。専門的な用語も、できるだけ初心者に伝わる言葉に置き換えてください。」
このように「日本語で」「英語禁止」と明示的に指示を足すだけで、そのまま社内で配布できるような「親切なマニュアル」が完成します。
5. まとめ:実際にやってみた感想
今回、NotebookLMにGASを丸投げする運用を試してみて一番感じたのは、「精神的なハードルが下がる」ということです。
これまでは、ツールを作っても「あ、マニュアル書かなきゃ…」「あの人に説明する時間作らなきゃ…」という義務感がセットでついてきました。それが、コードをドキュメントに書き出してNotebookLMに連携するだけで、「とりあえず聞けば答えてくれる場所」ができる。
特にスライドは自分で作るよりも遥かにいい感じのクオリティで出してもらえるので、凝ったGASを作った時にいい感じに説明してもらえると、いいやつを作ったなあと達成感も味わえるのでとてもおすすめです。